弁護士の年収
弁護士の平均年収
厚生労働省の調査によれば、弁護士の平均年収は800万とのことです。同じ調査で医師が軽く1千万を超えているのを見ると、少ないなと思うかもしれませんが、これは弁護士が自営業であることが多く、医者は勤め人であることが多いせいだと思われます。つまり、勤めている場合は収入をごまかせませんが、自営業であればいろんなものを経費で落として、さほど儲かっていないように偽装している可能性があるということです。
また、労働時間も弁護士より医師の方が大分多いと思われますので、時給換算するとあまり変わらないのではないでしょうか。
弁護士が法律相談を受ける場合、平均的な相談料は30分で5,250円です。時給にすると1万円!羨ましいなと思いますが、知り合いの弁護士によれば「司法試験に受かるためにものすごい時間を費やして勉強しているのだから、それくらいもらわないと割に合わない」とのことです。
ちなみに裁判官や検事などは、公務員なので、弁護士ほど暮らしは豊かではありません。(その分安定していますが)弁護士は交際費がかかることもあり自由に自分のお金を使える人が多いのに対し、裁判官・検事はお小遣い制の人もけっこういるようです。
弁護士の属性・世代別年収
ひとくくりに弁護士といってもいろいろな働き方(いそ弁、町弁、渉外弁護士、企業内弁護士)があるので、平均年収のデータには実はあまり意味がないかもしれません。なので、以降は「世代」と「属性別」に年収を探っていきたいと思います。
司法修習生の月給
司法修習生時代の給料は月20万程度で、一般企業に勤める大卒の人とほとんど変わりません。今は給料として支払われていますが、世論で「今後ばりばり儲ける人たちに税金を使うな」という意見があり、2010年度からは貸与と言う形で、返済義務が生じるようになるとのことです。
※反対意見も多いので、実際にそうなるかは現段階では不明です。
渉外弁護士の年収
渉外弁護士は弁護士の中でも一番多忙でエリートです。中堅〜ベテランの渉外弁護士の年収は数千万が当たり前。非常に有能な人であれば、年収が1億に届く人もいます。若手の給料も非常に高く、初任給が1000〜1500万程度です。
その分仕事は本当に激務で、毎日終電で帰るような生活が続き、離職率も非常に高いです。今の年収が高いからといって数年後もその給料が保証されるわけではありません。
町弁の年収
独立弁護士(町弁)の収入はピンキリです。中堅〜ベテランの町弁は実力や事務所の経営方針によって儲けがかなり違います。(※一般的に刑事事件よりも民事事件を主に扱っていて、優良企業を顧客に持っている弁護士が儲けています)
儲かっていない人はサラリーマンと変わらない暮らしですし、儲かっている人は大手企業の社長ばりの生活をしています。一般的に、渉外弁護士の年収から2〜3割を引いたものが町弁の年収と言われます。十分高額ですね。
若手の町弁は自分がまだ事務所を経営しておらず、どこかの事務所に所属していますので、給与所得者です。
待遇は事務所によってかなり違いますが、初任給が基本給600万(+歩合給)くらいが相場のようです。
歩合給は、事務所からあてがわれる仕事とは別に自分が仕事を取って処理するとその分が加算される仕組みですが、この条件は事務所によってかなり違うようです。
若手弁護士の月給の実例
管理人の知り合いの1年目の弁護士(29歳)は基本給が月50万でしたが、ある月は歩合分の給料が多く、トータルで月収が100万以上になったそうです。
若手弁護士がこんなに稼げた背景には『過払いバブル』があると思います。
『過払いバブル』とは、借金をして高い利息(しかし法律的にはグレーゾーン)を払った人が、2006年1月からはそのグレーゾーン部分のお金を返してもらえるようになり、弁護士・司法書士にその関係の仕事が増えたことを言います。あまりに儲かりすぎて、申告漏れも続出したようです。
※過払い(請求)バブルはもうすぐ終わりますが、次は残業代の未払い問題について同様のバブルが起こると予測されています。
これからの弁護士は儲からない?
上記の話は若手でも旧試験で受かった人や、大手事務所に就職できた人の話で、今後試験に受かった若手弁護士はここまで条件が良くないと思います。最近司法制度改革で弁護士が急増しており、初任給が500万を割ることも珍しくなく、300万台の人もいるそうです。
最近では就職することすら難しい状況があるので、田舎に行って、最初から自分で事務所を開く人もいます。日本にはまだまだ人口に対して弁護士の少ない地域(弁護士過疎地域)があるので、そういうところにビジネスチャンスが転がっているかもしれません。
弁護士人口の急増で、これからの弁護士は儲からないと言われていますが、管理人個人の見解としては、「実力」と「経営センス」次第かなと思います。